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Memory. A parade. Chaos.(2015.2.11)

 

 

 

青いステージの空白に、それを裂くように金属音のSEが鳴る。

歯車、細胞、エレクトロニクスの映像ーーそれは或いはアナーキーのSEに倣うものかーーと歓声を共にメンバーが出てくる。

1曲目のICONOCLASM。そのイントロでヴォーカルのMAOHが瀟洒に杖を振る。その帽子がアンドロジニアスだ。

強い蠱惑と意思を込めた歌声が響く。演奏はBUCK-TICKよりもエレクトロのイメージを感じさせる。

青い闇は赤い闇に変わりLOVE LETTERに変わる。歓声と嬌声とともに。

曲は続き演奏はBUCK-TICKのオリジナルに忠実にそしてCHAOSのエモーショナルを、ビート、エッジを効かせ続いていく。

MAOHのくねる蛇のような歌声。それはビブラート、ファルセットを使いこなし続いていく。

続く楽曲もアレンジなどBUCK-TICKとは違う、


感性、あくまでCHAOSとしての感情と音楽の基本概念を込めて演奏され、基本的に青のライティングに時折赤いライトが差すステージに立つCHAOSのメンバーの雰囲気ーーアトモスフィアを感じさせ、演奏を続ける。

『MY FUNNY VALENTINE』が終わった時始めてMCが入る。

『いつもありがとう。ようこそ。CHAOS ON PARADE』と。

そして観客を深く誘う言葉とともに『キラメキの中で~』が始まる。

それはDTDのリリースされた時ではない、近年の今井寿のギターのイントロからの始まりでその時MAOHは櫻井敦司が歌うように青い闇を切り裂くような声を響かせる。
愛の歌のフレーズが響くその時櫻井敦司の歌詞とは違う言葉がインサートされる。

『消えてしまうー』と。

そして最後のパートでイントロのメロディを背景にキラメキが眩しく闇に溶けていくようにMAOHの歌声が消えていく。そこにあるのは彼自身の苦悩か。

曲は続く。


『ASYLUM GARDEN』、『KISS ME GOOD-BYE』が続き曲は後半へ続く。
殺しの調べバージョンの『ORIENTAL LOVE STORY』。MAOHの独壇場の『Baby,I want you 』、そして『メランコリア』。
ELECTRIAのバージョンで演奏されるそれは官能的で、声が、演奏が爆ぜるようなーーそれが第一BUCK-TICKのそれに倣うバンドかーー勢いで歌われる。



そして友愛に満ちたメンバー紹介、『MAD』が終わった後響く『サタン』と続く。


小さく『yeah』との吐息のような響きの後続くルーティン。

CHAOSの世界へ。最高の世界へと告げられるルーティンと共に。

素敵な花。

サタンで夜を嫉妬させる程艷めかしい声が演奏が響く。
数あるBUCK-TICKのフォロワーのバンドの中でもその名のままもっとも妖しい花であるかのようなCHAOSのサタン。
それはBUCK-TICKによる原曲に近いtakuoとはっしーのギターアレンジでありながら、歌唱法に、ドラムのタムの響き、そしてダンサーの艶かしい誘いの仕草でCHAOSの世界を構築する。
妖しい花を。

囁きとマニュピレイトされたピアノの連弾のイントロが不穏なだが人を惹きつけてやまない『Cabaret』が始まる。

最初は囁きで、そしてギターの炸裂ともに囁きを食い破る獣の声で。
闇に潜む獣は官能的だ。

なんて素敵なのと。


再び帽子を被りダンサーと共に、舞う、MAOHの姿は、そしてバンドとしてのアンサンブルはステージに溶ける闇の中に引き立つ。

素敵な花をの言葉の後に本編の最後、『夢魔』が始まる。

夢魔。BUCK-TICKの賛美歌。それは宗教的なイコノグラフィの荘厳さ、そして、BUCK-TICKとファンとの宿命的な一体をもたらす。

本編のラスト。CHAOS ON PARADEの最後にこの曲が来たこともなにか意味があるのでしょう。

夢魔(ナイトメア)と、そして闇に紛れる獣の咆哮を感じさせるMAOHの叫び、ブレス。

夢魔のその最後の歌声の響き。
ツンドラの大地
死装束の魂よ
黄泉彷徨えるーー

暫しの沈黙とともにアンコールが始まる。

微かな声、何かを思いだすように響くちょっと待っての声。

ギターの旋律が確かにさくらの息吹を感じさせる。

ドラムのビートをBUCK-TICKよりも効かせたさくら。

takuoやはっしー、hitoに寄って丁寧に演奏され、歌われるこの曲はCHAOSを通してBUCK-TICKのイマージュを感じさせ献花のように聴こえる。
献花、手折る桜の枝。
それは誰のものに。

月が満ちる前に。

ララララララ・・

リメインズを残し曲
『LOVE PARADE』に移る。

LOVE PARADE。
CHAOSが主催したこのトリビュートフェスのタイトルが倣うこの曲は、まるで出来すぎた夢のようにこのフェスのメモリーを思い起こす。

でかけよう。薔薇色のパレードが通りを過ぎる。

木漏れ日を浴びながら君を連れいく。

もう帰らないとしめやかにピリオドを打つこの曲はそれだけの情感を込めて演奏されまのだろう。

そして全員参加で・・との声とともに響くラスト。
『NATIONAL MEDIA BOYS』。

BUCK-TICKをBUCK-TICK足らしめているこの曲、BUCK-TICK自身もライブのラストシーンに選ぶこの曲のキーワード。

時計を焼きつくせ。

狂気の淵で君を待つ。天才と神の気まぐれ。

そして。
踊れ踊れ仕組まれたーー。
「踊れ!1、2、3、4」
MAOHの声が響き、それはNATIONAL MEDIA BOYSのルーティンにある間奏に入る。
繰り返しのギター、ベース、ドラムの連弾とともに。
ハイライトが続く。

最後にオーディエンスに自分自身を解き放つ事を、踊ることを伝えるこの曲がこのフェスの最後に響く。
「ありがとうどうもありがとう。最高でしたありがとう。 また」
櫻井敦司を最後まで意識した
MAOHの言葉共にパレードは終わる。

BUCK-TICKのトリビュートバンドであり、同時にそのオリジネーターであるCHAOSのPARADEがこれからも続く事を。

Martal goes for a human being and death.2015.11.16

 

冬が近づいているのに何処か温見を感じさせる晴れた空の下。

そして夜の闇に沈んで行く空気の中、なんばHachで櫻井敦司が率いるThe Mortalの公演が始まる。

それはボウイのハマースミスオデオンのフィールのように、オーディエンスを惹き付ける。

クラシックのーーそれはタンゴのようだった、ワルツとも。

幕が下がったまま公演は始まろうとしていた。

幕が下りたままのステージに蝋燭の炎が灯っている。

曲のイントロが響いた時にオーディエンスのざわめきは途絶えた。

幕に煙のような映像が刻印され、散って行く。

悪魔が現れる時煙が充満するという言葉を思い出した。

そして幕に刻印されるThe Mortalのタイポグラフィ。

そして 天使 が流れる。

幕は上がり、そして始まるMortalの響き。DEAD CAN DANCE。

ギニョルのその意味不明さ。

PAIN DROP -It rains cats & dog-のその眠れよと・・と眠くてから月の先端から流れる月の一雫の言葉・・薄弱だ。

夢のその昏睡の・・死を感じさせるメッセージ。だが、人は神が来ないのと同じように夢に溺れるしかない。

曲は進む。

だがオーディエンスはいつものような熱狂の振りを見せるけれど何処か近づいてならない何かを感じている。

確か・・ 夢 だったか・・櫻井敦司は言う。

「もっと騒いでいいんだよ」

その言葉とともに始まる 月 。

そして、唐突にこの言葉が漏れた。

「11年前の曲をやります」

流れた サクリファイス 。

11年前。

櫻井敦司が愛の惑星を作った時そのメインリィとしソングライティングされた曲。

その時始めて激しい雪のような光がステージで明滅しオーディエンスが解放される。

愛の惑星からの曲が続き再びThe Mortalの曲が続く。

展覧会の男。

マザーのその安らぎとおやすみの子守唄を感じさせるMOTHER。

曲の間断に手を取る蝋燭の日が灯ったままの燭台

そしてMortal。そして本編のラストとなるサヨナラワルツ。

その悲しみ、その心。望まれない夢。

櫻井敦司はずっと闇の恋歌を歌っていたのかも知れない。

そして

 

櫻井敦司の懊悩は今もなおすべてが癒されていない

 

Mortalのその歌詞。

絶対的な生がここに 絶対的な死がここに

産声で叫んでいる The Mortal I am Mortal

そして静かに・・哀切に流れる サヨナラワルツ 。

 

本編が終わった後、僕は声にならないシーンを見つめた。

拍手は続くけれどオーディエンスはアンコールの声を叫ばない。

それほどThe Mortalの作りだす音楽はーー

闇に近づきたがう静寂とそれに耐えきらない金切り声のようなアンコールの声。

そしてアンコールが始まる。

メンヴァーを紹介する櫻井敦司。その声は友愛と誘いに満ちている。

バンマスを努める三代堅、そしてまた会ったねという言葉とともに紹介されたチーフ。

それは主にspirit からのカヴァーの曲中心に構成された。

そしてヴァンドMortalが並びカーテンコールをする時——

 

We love Audience

 

響く刹那に木霊する歓声。

音楽的な友愛。

Bauhausのフィールと日本のエモーショナルが混ざった闇の恋歌のようなモメント。

まるであるのならイギリスのBauhausが作り上げた幻想のような公演。

そして何よりも、日本の極東で咲く桜のようなーー

そして闇に咲く血の華のようなMortal

 

タヴルアンコールは 猫 、そして EXPLOSION で終わる。

ハレルヤ その意味を考えろと言うかのようなーー

 

 

フランスから悲劇の連鎖が始まる。

葬送のリハーサルのように。

その混乱の、すべての人々がこれから途方に暮れるであろう世界の中にThe Mortalが生きている。

Martal・・その人間を意味し、死を免れないというその意味を刻印されたヴァンドの。

僕は芸術のイデアを信じていて、だけど生きることすら叶わないのかもと言う運命に対して、そして、惨めだなと思う日々を過ごしていた。

そして、世界が混迷に向うと共に強くなる睨視すべかざる力によってすべてを諦めよう、眠らせてしまおうと思った。

だけどMortalを家で聴いていた時間。

そして今日観たI am Mortal。

それを観て初めからすべてやり直したいと思った。

今なお響いたサクリファイス。

捧げよう 悪魔へと 何もかも。

そしてMortalのその言葉——

 

絶対的な生がここに 絶対的な死がここに

産声で叫んでいる The Mortal I am Mortal

一瞬だけの愛でいい 一瞬だけの夢を

 

僕はランヴォーと同じように18才において気が狂い、

櫻井敦司は狂った太陽のラストに太陽ニ殺サレタを作りこう歌った。

さよならを言う前にと。

僕は狂った太陽の世界に逃げ込んだ。

そしてMortalのサヨナラワルツ。

そして櫻井敦司が狂った太陽を作って救われたように。

最後のEXPLOSIONが鳴り響き散って行き、The Mortalのメンヴァーが去っていた後浮かぶ、

 

I am Mortalの刻印。

 

僕はMortalを知り、そして、救われた。

Operetta of the darkness in cloud's Angelic Revolver 2015.7.9

AUTO-MOD、BUCK-TICKのコーラスワークをも行う希有のヴォーカリスト、セリア。彼の歌声にはレクイエムの嘆きとなおも飛
翔していくイマージュの羽撃きを感じる。重く暗い無も、過去に存在したイマージュも消え去った、すなわち人類が滅んだ後に聴こ
える彼の声、それは並び替えられる詩の言葉のように聖と邪の間を行き交い、まだ辿り着いた事の無い破滅へと人々を誘う。
破滅。それは美しく尊いもの。
希有の歌声を持つヴォーカリスト、セリア。彼の歌声を聴いて。そして無垢と嘆きを感じて。その間に生き残った人間がいるよう
に。罪がそこにある。
彼のAUTO MODの三十年記念の時の葬列--方舟--の章でのパフォーマンスも新しい。彼は続き、私達に夢を見せてくれる。セイ
レーンのそれのように。

彼は2008年に東京デカダンスでヨーロッパを巡る。それは日本の猫のようなきらびやかなショーのようであり、そのエクストラ
ヴァガンザの様でもある。そして希有のカウンターテナーであるセリアの歌声がヨーロッパの舞台に死の願いのようにに落とし込ま
れていく。
そう現在の基本概念の祈り、プレイとは違う死への祈りが。
こうして東京のデカダンスはヨーロッパで日本の退廃を伝えて行く。これからさらに大きなにものになって行く退廃の種子を。


オートモッドのライブのライブがあった。Operetta of the darkness(狂った道化師の恋)。
それは永久のエクストラヴァガンザ。
道化師達の垂涎の集い。
異人の燃やす官能の炎。
「迷宮芝居」と名付けられたこの一夜は限れない幻想を私たちに見せる。
極東の地よりゴシックを真なるゴシックを伝えて来たその悪魔的なイメージから混沌の、カオスの幻想の未知になる。
セリアの歌声なくともサックスの音により肉感的な蟲惑を伝えるライブが眼前に現れる。
永久のエクストラヴァガンザとして。
道化師達の垂涎の集いにて。
嘗てのシリーズギグ「時の葬列」やGENET ROCK OF ROMANCE時代の
「オペレッタリアリゼーション」を彷彿とさせる、かつて無い巨大さで作り出した夢。ロックと演劇を融合させたダークオペラが見
られる。
音楽が予言していたように救世主は現れず2003年に人類は滅び去った。今の「人間達」はデストピアの世界に生ている。
魂と引き換えにこの手に掴んだデストピア。
太陽に昇ろうとするイカロス。月光のサイレン。
その全てを幻想によって排するかのようにジュネの歌声が聞こえる。
合わせ鏡のように死の死臭に互いを映し出す太陽と月を。
そして15名を越えるパフォーマー達に道化師達によって作られるカオス。
それはこの狂乱の世界を更なるカオスで包み込むように。そこに立つ事さえ飲み込みカオスを創り上げる。
そしてそれは過去と未来のオートモットを繋ぐ。
だからこそエクストラヴァガンザーー異色劇なのだ。
親の無い孤独なさまよう子供達がこの場所へ集いオートモットが出現させる過去二十年行なっていない歌とともに現れる幻想に救済を求めるように。
昼に追いやられた子供達に向けられたが夜亡霊のように新宿マーズの黒い壁が地下世界のキャバレーや、音の迷宮、教会のように。
そしてそこには過去のオートモッドと今のオートモッドを繋ぐアクシズが存在する。
全ての美しいものと醜いものがまぐわり合うように。
それは二回演奏されるレクイエム。
そこにセリアはいない、だが、黎と闇にある人間ができる唯一のものを谺として響かせる。レクエイムの海を飛翔するもの。ジャベスの白い閃光。
それらの夢を見せる。

BUCK-TICKは空前のアルヴァム「天使のリボルバー」を作り上げた。その最後のREVOLVERは譬えようもない嘆きを、悲しみを私
達に伝える。
そして「天使のリボルバー」を携えBUCK-TICKのBUCK-TICK TOUR 2007「天使のリボルバー」が開始された。全国31公演で行
われるツアー。
弾切れのリボルバーの代わりに撃たれる歌声の火花の影にオーディエンスの心が交錯する。
そしてリボルバーの銃弾のように爆ぜ放たれたBUCK-TICKのアルヴァム「天使のリボルバー」の始まりと終焉に聴こえる。セリア
歌声、マリアのそれを感じさせる暗闇と月明かりが番い行く。Mr.Darkness & Mes Moonlightで契約の絶頂を極め、だが、それは
悲しみに覆われる。
この時代の悲しみ、ショアー、二度の大戦。9.11。そして2003年にアトムが生まれなかった事。
その絶望のときの果てにな劣化ウランの大地に、そしてなおもばらまかれるクラスターボムの爆炎の中でに天使のリボルバーはリリースされた。
その最後の曲、REVAOVERのイントロでセリアの歌声が響く。
シューティングスター。弾切れリボルバー。シューティングスター。あの娘の心に。シューティングスターあの子の願いを。シュー
ティング。シューティング。シューティング。

そしてBUCK-TICK史上もっとも忘れ難き曲が始まる。

「REVOLWER」 作詞櫻井敦司 作曲今井寿

悪魔共よ 地獄逝きさ あの子は歌う 劣化ウランの上

死神共 地獄逝きさ あの子は踊る 屍踊る
踊る 踊る 俺も お前も

Shootn it! 突き刺す 弾切れREVOLVER
Shootn it! 突き刺す 奴等の歌間に
Shootn it! 突き刺す あの子の祈りを
Shootn it! 突き刺す あの子の願いを 撃て!

悪魔共よ 地獄で会おう お前は嗤い ばら撒くクラスターボム
嗤う 嗤う 俺も お前も

Shootn it! ぶち込む 弾切れREVOLVER
Shootn it! ぶち込む 奴等の心に
Shootn it! ぶち込む あの子の未来を
Shootn it! Shootn it! Shootn it! Shootn it! Shootn it!

Shootn it! 突き刺す 弾切れREVOLVER
Shootn it! 突き刺す 奴等の歌間に
Shootn it! 突き刺す あの子の祈りを
Shootn it! 突き刺す あの子の願いを
Shootn it! ぶち込む 弾切れREVOLVER
Shootn it! ぶち込む 奴等の心に
Shootn it! ぶち込む あの子の未来を
Shootn it! Shootn it! Shootn it! Shootn it! Shootn it!
Shootn it! 弾切れREVOLVER Shootn it!

震えている君のまぶた 大丈夫 怖くないさ
震えている君の耳たぶ 大丈夫 愛している Good-night Baby

その嘆きのシーンに、心のシーンに、未来に現実になるシーンに。響くセリアの歌声。
それは震えている君のまぶたへ向かい云う怖くないさと。
そして櫻井敦司は云う、震えている君の耳たぶ愛していると。

Good-night Baby

REVOLVERのセリアの歌声美しい。

BUCK-TICK is Atushi Sakurai Smile like a  Buddha in Nirvana 2015.4.9

 

今日は釈尊の誕生日。その日を迎え僕は自分がバクチクのtour 夢見る宇宙を思い出した。

デ ビュー25周年を迎え、Pared IIを行ったバクチクのアニヴァーサルイヤー、その前日に発売されたディスクの最後を飾るに相応しいアルヴァム。その永遠のモメントになるtourの最終 公演。12月28日、バクチク現象、東京ドームから続くDay In Questionの変わりに送られたこのツアーはバクチク現象が続く事を意識させ、同時にアニヴァーサリーイヤーの限りないモメントにオーディエンスを、 包みこんだ。

 

Paredoは続くよという言葉と共に。

宇宙の包括的な広がり を感じさせるSEに期待が高まる中。刹那とつやめきを感じさせる櫻井敦司の声が印象的なエリゼーのためにかに始まり、星野英彦の望遠鏡を模したパフォーマ ンスが魅力的な「マーメイド」。樋口豊の笑顔が可愛い。櫻井敦司のなおも癒えぬ狂気を感じさせる「ロング・ディスタンス・コール」。そして続く「極東より 愛を込めて」。

櫻井敦司は狂った太陽のリリース時に言っている。「天安門事件より、自分に起こった出来事の方が」と。だが、それは「極東I Love You」で初めて外の世界へ語りかけたモメントになるアルヴァム。

その極東I Love Youの極東から愛を込めてをパイロと赤いライトの中で歌う。

 

ラ イブは続き鋭角的な衝撃となる「Jonathan Jet–Coaster」、今井寿のギターのイントロが絶えず印象的で、櫻井敦司の孤高を感じさせる「見えない物を見ようとする誤解 全て誤解だ」。、そ して、狂いましょうと綴りを閉じる「夜想」、銀色のラインと黒いスクリーンが宇宙的なイマージュを感じさせるSane、今井寿のイントロと櫻井敦司の「行 くぜ」

という声が印象的な刹那の生と死を歌う「インターラプター」、エレクロトにかのギター、そしてアニイのドラムのイントロが印 象的で、ゲーテのファウストーー「時間よ止まれお前は美しい」という言葉に倣う自由な天使を追う「Miss Take ~僕はミス・テイク~」。そしてロックンロールに唇を塗ったかのような「Climax Together」のWe Love Allのルーティンで本編は終わる。

 

そしてアンコール1では寂寥の「Coyote」を2014年に リリースされた或いはアナーキーのFish TankerのHiper Loveのようにヴェールを被り歌う。続く「君のVanira」愛おしい。仏陀の教義をイマジンで現したジョンの命を奪ったと、ライ麦畑でイキっぱなしと 歌われ、人でなしルシファーと歌われる「天使は誰だ」。

 

アンコール2では銀色のスポットライトと青 いライティングが月の螺旋を現実に見せるバクチクのかけがえの無い曲ーーそれは「Climax Together」のロックロールに唇を塗るその眩惑のイマージュと愛を補い、全ての淀み、哀しみ、葛藤を洗い流すかのような星野英彦作曲による、バクチ クそのものの曲の一つ「Jupiter」。そして「Just One More Kiss」、「土壇場Beauty」でオーディエンスを熱狂させ。

そして歌われる今井寿の「きらきら光る夜空の星よ」のフレーズから始まる、最後の曲「夢見る宇宙」。星と銀河、そして胎児の姿を背景にして、バクチクの五人が演奏を行う。そのシーンはかけがえも無く、同時に狂おしく、だからこそ愛おしい。

 

 

「あなたに出会えた夜 僕は生まれた

夢見る宇宙に夢中 銀河の中で

 

一瞬も 永遠も 狂おしい 僕らは・・

 

くるくる回る 回る 月夜のWaltz

夢見る宇宙に夢中 踊りませんか?

 

喜びも 悲しみも 愛おしい 2人は帰れない 踊りましょう

 

指と指がそう、触れ合って 舞い踊る君 幻

夢見て 夢見ている宇宙 I Love・・

 

一瞬も 永遠も 狂おしい 2人は帰れない 踊りましょうーー 」

 

 

 

 

リ フレインする「きらきら星」のフレーズ共に終ったこのバクチクのアニヴァーサリーライブは夢見る宇宙だけの楽曲だけでなく過去の、そして過去とするにはあ まりにもエナジーに溢れた楽曲を中心に構成されている事だ。「君のVanira」、「ロング・ディスタンス・コール」、「極東より愛を込めて」、 「Just One More Kiss」、「Coyote」、「Jupiter」、「土壇場Beauty}これらの曲はバクチクの重ねたディケイドーーロザリオの守りであり、未来へと 続くもの。

 

釈尊とは不思議な存在。因果に存在すると同時に空王として地上に降り立つ。全て受け入れて。それは櫻を苗字に冠した櫻井敦司にも通じるもの。セットリストには加えられていなく、対照的な表現だがDieの歌詞が脳裏に浮かぶ。
花祭りに甘茶、素敵な儀礼。

 

櫻井敦司はtour 夢見る宇宙のライブの曲が全て終わった後、オーディエンスにこの言葉だけを贈り、ステージを去った。

「おやすみ」とーー。

 

Ciao! We ♥ all.

 

今日は釈尊の誕生日。
人を赦す気持ちを忘れず。
櫻井敦司もそう願っているはず。

 

さようならの果て 抱き合って 目を閉じたなら おやすみ

夢見て 夢見ている宇宙 愛

さようならの果て 抱き合って 目を閉じたなら おやすみ

夢見て 夢見ている宇宙 愛

 

4月、seven

OR ARNARCY

 

6月4日にBUKU-TICKのニューアルヴァム「或いはアナーキ」が発売された。

その各曲のタイトルを見て何を言えばいいのか?
「悪の華」のダダイズム的なアートワークを思い出させる。DADA DISCO  - G J T H B K H T D –
多分櫻井敦司からの影響であろうと思われるーーいや前から愛読していたのかもしれないボーカルを取るであろう?ボードレール
で眠れない。
謎めいた宇宙サーカースにmasQue。
天使が悪魔を針で刺す様に血に染めるDevil’N Angel、メランコリア。
PHANTOM VOLTAIRE、SURVIVAL DANCEを経て。
サタンーー昔ルシファーは悪魔の為に神の敵を名乗るサタンを名乗った。この世界が闇に満ちている、NOT FOUNDで満ちあふ
れる世界にはサタンを名乗る必要があるのだろうか。こんな星屑みたいな世界に。
だがBUKU-TICKはこの時代にこの悪の華をブースターにした、史上最高の一枚天使のリボルバーさえ追い抜くかの様なCDをリ
リースする。
こんな、絶望と落胆が空回りする時代に。
闇が深く何も見えない時代に。
悪魔にさえ見捨てられた世界に。
だがBUCK-TICKは「或はアナーキー」をリリースする。この爆竹的なアルヴァムはその領域を越え、ひとつの寓話に着陸し、越
えて行く。
「天使と悪魔の全てと対立しルシファーは地上の闇を照らす為に地上に降り立つ。
この何もかもが暴力と狂気、透明な毒が溢れる世界に。
BUCK-TICKは全ての価値観を、魂を壊す。
そして生まれ変わらせる。

胸を裂く。破裂する。きっと死ぬ程美しい。
砕け散る。消えて行く。もっと強く強く抱きしめて。
夢を見た、夢を見た。

先行シングルであり、アルバムの最後の曲である14.形而上 流星-metaform-のように、生まれ変わる様に。

爆竹的な表現と向き合ったBUCK-TICKそこには諦観しか無いとしても。この惑星に降りてる。そして・・・

「或いはアナーキー」

19th ALBUM 2014.6.4
Lingua Sounda / 徳間ジャパン コミュニケーションズ

[初回限定盤A/B/C][通常盤]共通

初回限定盤A[DELUXE EDITION]
01.DADA DISCO - G J T H B K H T D – [作詞:今井寿 / 作曲:今井寿]
02.宇宙サーカス [作詞:櫻井敦司 / 作曲:星野英彦]
03. masQue [作詞:櫻井敦司  / 作曲:今井寿]
04. Devil’N Angel [作詞:今井寿 / 作曲:今井寿]
05.ボードレールで眠れない [作詞:今井寿 / 作曲:今井寿]
06.メランコリア [作詞:櫻井敦司/  作曲:今井寿]
07. PHANTOM VOLTAIRE [作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿]
08. SURVIVAL DANCE [作詞:櫻井敦司 / 作曲:星野英彦]
09.サタン [作詞:櫻井敦司 / 作曲:星野英彦]
10. NOT FOUND [作詞:今井寿 / 作曲:今井寿]
11.世界は闇で満ちている [作詞:今井寿 / 作曲:今井寿]
12. ONCE UPON A TIME [作詞:今井寿 / 作曲:今井寿]
13.無題 [作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿]
14.形而上 流星-metaform- [作詞:櫻井敦司 / 作曲:今井寿]

[品番 / 価格]
▼初回限定盤A[DELUXE EDITION]
TKCA-10075 / ¥8,500+税
・豪華アナログLPサイズBOX仕様(シリアルナンバー入り)
・Blu-spec CD+Blu-ray&DVD+特大PHOTO BOOKLET+BUCK-TICKオリジナルグッズ
<Blu-spec CD>全14曲収録予定
<Blu-ray&DVD>「形而上 流星」MUSIC VIDEO ※Blu-rayとDVDの映像は同一内容

▼初回限定盤B[CD+Blu-ray]
TKCA-74111 / ¥3,700+税
▼初回限定盤C[CD+DVD]
TKCA-74112 / ¥3,300+税 
<CD>全14曲収録
<Blu-ray/DVD>「形而上 流星」MUSIC VIDEO ※Blu-rayとDVDの映像は同一内容
・シングル&アルバムW購入ポイントラリー応募キャンペーン
・特製スリーブケース仕様

▼通常盤[CD]
TKCA-74113 ¥3,000+税
<CD>全14曲収録(限定盤CDと同一内容)
・シングル&アルバムW購入ポイントラリー応募キャンペーン(初回プレス分のみ応募券封入)


[DELUXE EDITION:7大特典]
・豪華アナログLPサイズBOX仕様(シリアルナンバー入り)
・BUCK-TICKオリジナルグッズ(ロゴ入りレッド・クロス40cm×40cm)付
・特大PHOTO BOOKLET(アナログLPサイズ / 24P)付
・Blu-spec CD(お手持ちのCDプレーヤーで再生可能な高品質CD)
・Blu-ray&DVD「形而上 流星」MUSIC VIDEO ※Blu-rayとDVDの映像は同一内容
・ピクチャーレーベル(Blu-spec CD・Blu-ray・DVD 3種のデザイン)
・プレミアム・グッズ応募券封入
①シリアルナンバーで豪華特典が当たるキャンペーン
②シングル&アルバムW購入ポイントラリー応募キャンペーン(対象商品:MAXI SINGLE「形而上 流星」& ALBUM「或いは
アナーキー」)

BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADE

 

BUCK-TICK FEST 2012 ON PARADEが22、23日と行われた。

ナショナルメディアボーイズを喚起させる重いパレードの開幕を告げるイントロが鳴り響くとともに始まったこのパレードはBUCK-TICKの音楽史だけでない日本の「特定された」音楽史のヴァンドが集まるパレードだった。オートモッドは出なかったが(ユキノとヒカルは来ていた)MERRY、cali≠gari、MUCC、MERRY、Pay money To my Pain、POLYSICS、N'夙川BOYS、THE LOWBROWSなどと日本の音楽の裏の歴史のヴァンドが演奏し、晴れ間がさした1日目、土砂降りの2日目を白熱させた。

22日の一番目に真っ赤な夜を演奏したMERRY、今井とユータが格好をまねてセッションしたPOLYSICS、キュートだったN'夙川BOYS、cali≠gari、MUCCそしてD'ERLANGER。BUCK-TICKが不動のメンバーで続けたのを反面に影の道を歩きづつだが、フォロワーを生み出し続けたこのヴァンドには今後無いと言われたディルアングレイのDieも参加した六人編成のD'ERLANGERとして演奏された。

そしてBUCK-TICK。

先行シングルを中心に編成をがらりと変えたパフォーマンスは尊く、このBUCK-TICKという日本に咲いた悪の華はそれに違わぬパフォーマンスを見せてくれた。1日目は勿論、2日目はなおも。

my eyes your eyes。

バレードがハールメンの笛吹きとオーヴァーラップするのなら、いつもでも続く、パレードからは誰1人戻らない。帰れない。いつまでも続くこのバレードに。

 

バクチクが死んでも残るであろうこの彼等の楽曲群は一つの感傷によって続けられている。

それは二日目に歌われた彼等の最初のアルバムからの歌my eyes your eyes、溶けずにいただけど二人はの部分の悲劇から始まっている。だからこそ未だかつて見た事の無い、バクチクをバクチクたらしめているHURRY UP MODEに収録されているSTAY GOLDのように黄金はそこから輝く。my eyes your eyesは永遠が破綻した姿を描いている。ただのラヴソング、いやだからこそラヴソングというべきか、この曲の哀しみは限りなく透明。マリアンヌがピエロに手を触れた時の肌の熱の暖かさも無い。いびつな永遠が25年続く、いや死んでも続くであろうバクチクのレガシーがそこにある。

伝えられない思い。美しい天使とそれを追うルシファー。ルシファーは神々にも嫉妬させた美貌を持ち、神とも悪魔とも対立しこの地上の闇を照らす。

劣化ウランとクラスターボムにまみれた地上を。

夢見る宇宙にこんな歌詞がある

喜びも 悲しみも 狂おしい 2人は帰れない 踊りましょう

そして

さようならの果て 抱き合って 目を閉じたのなら おやすみ

夢見て 夢見る宇宙 I LOVE

すなわちバクチクというヴァンドは・・・・。

 

それはルシファーと彼が追う美しき天使の物語。

終わらない。

パレードが続く限り。いつまでも、どこまでも。

mement mori BUCK-TICK

歴史的名盤となった天使のリボルバーから約1年半、私達に届けられたアルバムmemento moriはその天使のリボルバーの質をそのままに深く、普遍性を持つアルヴァムになった。

だが彼等は爆竹的表現を棄てた訳ではない。ブラスト音とと共に彼等の音楽世界は変わらず響き続けている。真っ赤な夜に。夜に。

このまま俺夜になる何も無い

このまま夜と愛し合うさ

このまま俺は深くなる果てしない 夜愛し合うさ

 

このまま俺は雨になる 雨という名前さ

このまま俺は降り続く終わらない愛と愛し合うさ

お前の肌を濡らすのさ 永遠が零れ落ちて行く

この歌詞からも櫻井敦司のなまめきと共に永遠性は雨になり恋人に対して肌を濡らすと、そして永遠が零り入り落ちて行くという現在の永遠性が表している。だがこの肌冷たさがこの時代の永遠なのだ。

すなわち彼等はこの最初の曲で永遠の外側の世界で死生観感じさせているのだ。

同じブラスト音で続くLes Enfants Terriblesでは死生観のまま挑発的な少年少女に水を滴らせて狂い咲かせるとパペットの様に独白している。

oh oh 水滴るBOY&GIRL

oh oh 蕩けそうなロマンス

oh oh 浮きよめくロマンス

oh oh 粋に狂い咲け Oh Year

これが最上階のぎりぎりの所にブラウンニングの劇的な詩的表現と重なる。

この二曲では既に永遠を失う代わり愛する人を夕陽で真っ赤に染められるという秋へ旅のへの誘いとも言える夕陽のロマンスが込められている。

雫り落ちる永遠、恋人に触れる度に永遠は掠れていく。雨が雫れていく。

そして曲はシングルカットされたGALAXYに移る。

ギターのリフレインが印象的な曲で櫻井敦司は少女の姿がと言う歌詞を選び書いてもそれがこの曲のキャッチーさと重なり合い曲のきらびやかな曲になっている。

同時に詩の印象、曲調から違うと思われるがGALAXYはBuku-Tickの爆竹的な。

そこで櫻井敦司は歌う

真夜中 君は夢見て泣いている とても奇麗な夢を見た

真夜中 君は夢見て震えている何も悲しい事は無い

と優しげな言葉で語りかれる処は彼の続く飛翔感を感じさせる隠喩に当て嵌められており、彼女ーー天使の飛び立ちを促している。

 

そして曲はアンブレラと移る。そこは雨降り 一人蝙蝠逆さ吊るしの堕天使

彼が水玉模様 愛しの君アンブレラ。

黒いフリルさ 一人蝙蝠 雨め上がり堕天使 夕陽に映える影の移動は 宙返りのアンブレラ

この歌はラブソングと言って良い。

ああ、君に会いたいとsorrowを込めた歌でもいもい身かもらすにのラテン語の意匠にそって深い翳りを感じさせる。

そして真夏の朝に黒い花が咲くと恋人に促す様に呼ぶ。退廃の焦熱と愛がある

mement moriがラテン文化の言葉なので愛の歌が赤裸裸の書かれているのが櫻井敦司のテーマの様に思われる。

そして櫻井敦司の勝手にしやがれが櫻井敦司の勝手にしやがれは櫻井敦司のヴォーカリストとしてのもBuck-Tickのメンバーの奥深を表している。

 

それでもいい雨ならいいと独白する櫻井敦司の言葉は彼の世界観ーー狂ったビエロすなわちビエロルフから笑えないビエロに歩んで来た彼の刹那を表しそれはヌーヴェルバーグの彼自身の勝手にしやがれになっている。

山が嫌いなら、海が嫌いなら、都会が嫌いなら、勝手にしやがれの代わりに彼はキスや花束はいらないと独白している。

そしてジャン・ポール・ベルモントが言った勝手にしやがれが自分に向けられた言葉と対する様に彼の勝手にしやがれは彼のミストレス愛人に向けられているみたいだ。幻想だが。だからこのような台詞になる

帰るんなら勝手にしやがれーーと。そして愛も恋も言う彼は死に場所で踊り続ける。

 

寂寥の夜を行くコヨーテ。

そしてCoyoteでは曲の調子が変わりメランコリックな曲に変わる。

背中の骨がむ軋むほど抱き合う二人、そこに永遠がある。

コヨーテる寂寥の闇をゆくコヨーテは何処か弱々しく不吉な前兆を夜に感じる。

この曲は実際のコヨーテをモチーフにして語られる。夜に彷徨うオオカミに

に似るがやや小型で、夏では明るい黄褐色、冬は灰色を浴びている。だからそこ天国を目指し同時に寂寥感を感じさせる繰り返す。俺の名前を呼んでくれ。僕の名前呼んでくれという声。そこには過ぎ去った愛の記憶がある。

愛の情熱。それは生きている間決して失わないもの。それが弱々しくも強く歌われている。

その情熱が名を呼んでくれと囁かれ、そして髪飾りにハイビスカス、夕刻にはスーサイドを感じさせるその刹那に恋人を抱くのだ。背中の骨がきしむ程に。

髪飾りはハイビスカス 夕焼けにsucide背中の骨軋むほど 抱きしめたら一つかい 許しのキスを下さい

もうこんな夕日は

今夜はやけに奇麗 夕日と君と潮騒

胸を焦がす情熱

抱きしめたら踊るかい 

もう二度とこんな夕日は

今夜はやけに奇麗だ 夕日と君と潮騒

胸を焼き焦がす情熱。

抱きしめたら踊るかい YESのキスを下さい もう二度とこんな夕日に 会えないだろう。

こう刹那と永遠の両方をの道を行くmemento moriのテーゼが込められている・

 

そして星野秀彦の作曲したピアノのイントロが印象的なMessageが響き渡るる静かにるそして劇的に。

果敢ない羽根を持って訪れた彼女。僕には8日目の朝が来たよと書かれている様にバイブルの世界観をモチーフ作られた曲で戦争の灯だと言う混乱の世界に美しく流れるラヴソングとして歌われている。

世界が崩壊してもこの手は離しはしない。世界が壊れそうとも。

櫻井敦司は人類が戦争を始めた8日目にいる。

それは何も無い闇から訪れた彼女に対して恋い焦がれる自分と現実に争いに満ちた世界が幻だろうと祈りを込めて語っている。

だからこの言葉が生まれた8日目を争いは続く。生は喪われる。暴力と狂気が支配する世界るその最中に幻の様に降りて来た天使に心奪われる、そして彼女は命ある限り、青空の下で歌う。幻想の青空で。

 

ここにラテン文化の愛のイメージが引用されている。

眠っている時彼女は天使で起きているときは小悪魔だと。

 

それは「彼女が降りて来た」という言葉からバイブル的なイメージを曲全体に持ち込んでいる。

 

君を見ている 今はここで

青空 君は命限り歌う。君を見ているずっとここで僕に8日目の朝が来たよ

と。

 

争いは続いている。

だからこの言葉が生まれた8日目迎えたと。争いは続く。生は失われる。暴力と狂気が支配する世界るその最中に幻の様に降りて来た「天使」に心奪われる。そして彼女は命ある限り、青空の下で歌う。そして彼女が出会った彼は争いに満ちた世界がまぼろし何だと思う様になる。

青空の代わりにミサイルが埋める世界で。

 

8日目天の神の御業が7日で終えたので人類だけで進んで行った初めての日。その日は戦火の炎に包まれていたる天使に小悪魔ただ羽の形が違うだけで。

愛する人が歌う。その歌声をその歌声、その姿をずっと見ている。だがその姿も幻の様に果敢ない。

 

ここまで前半と言えるパートだが純粋なラブソングと言える曲多い。Buck-Tickなりのラブソングだが。雨で肌で濡らし、そこに永遠を見出すシューレリアリズムにのっとった真っ赤な夜。寂寥な夜に歌われるCoyote。そしてBuck-Tick史上に残るラブソングとしてのピアノのから始まるMessageるそしてそれはmement moriへと続いて行く。

 

Messageのその姿の方が幻なのか?その果敢なさを絶つかの様にヤガミトールのリズムに導かれmement moriへと続く。そしその後Buck-Tickの曲調が変わる。Jonathan Jet-Coasterや同じ愛の歌とも言えるスズメバチのようにBuck-Tickの曲には滅多にソングライティングしないタイプの曲。Lullaby-IIIのような今までのBuck-Tick的な楽曲が続く。そしてパンキッシュである「天使は誰だ」と。そのチェンジングはmememt moriが。

 

mement moriーーいつか自分が死ぬか忘れるな。

このアルバム、Buck-Tickの今までの活動でテーマにされれいたもので、その集大成が存在しているのはmement moriが存在する為であり

。LOVE AND DETH愛と死、出会いと別れLOVE AND DETH愛と死忘れないさと愛と死について語られるこのチューンはヤガミトールの印象的な始まり。一種の寓話的な構成とともに現実の月日別のものを表している。すなわち昼と夜をーー

mement moriーーBuckTickアルヴァムの表題曲であり、愛と死について語られている。Buck-Tickのキーパソンである今井寿の曲と歌詞が異端的なメロディラインと櫻井敦司のヴォーカルによって演奏されるこの歌は。

LOVE AND DETH 出会いと別れ 愛と死忘れないさと語られる様に生きて行く事と死んで行く事を刹那とディンによって語られる。WowWow声と共に繰り返される愛と死。

その言葉はこの言葉に集まって行く。

 

mement moriーーいつか死ぬ事を忘れるな。Skell thingとも英訳されるこの曲は限りない生命の行方について語られている。

 

BOYS AND GIRLS 今宵 踊り明かそう

Baby don't cry ダイジョーブ 

人生はOh year 愛と死

 

このパンキュシュな言葉の裏にmement moriの総じたテーマが含まれている。それはインクの様に暗く重いものの前にしてのプライマルな叫びの様なもの。

だらこそmemento moriのこの曲に希有性が存在している。間奏の今井寿のギターにも。そり間奏が絶たれるように櫻井敦司のLOVE AND DETHの言葉に遮られる。

人生は愛と死それ以外の確かなのは無い。そして愛は移ろいやすく、死は必ず訪れるもの。だからこそ人間は生きているのだと。本当の人間達は。

苦しみもある嘆きの瞬間もきっとあるだろう。だがそれは全て愛と死の為。

そして人生は愛と死と言うリフレインの最後にこう歌われている。

 

DANCE DANCE HA!HA! RMENBER TO DIE

 

memento moriーーいつか人には死が訪れるのを忘れるな

 

そしてmemento moritoから飛び立つ様にる飛び去った後に、そのまま疾走するJonathan Jet-Coasterそしてここからは純粋な私的な恋のうらは「全体的に広がる愛」がテーマとして出て来る。Jonathan Jet-Coasterは高速のリディムに櫻井敦司の高速のリディムに乗り歌う声はスピードそのままであり、リスナーに共犯者的なすべきものを与える。

そしてここでCENTRY BOYという言葉がある。それはTrexの20thCENTRY BOYのアバタであり一瞬が見つめあう様な。これがこの時代のCENTRY BOYという事になるのか、爆音と、嬌声の続く中で。

 

飛ばせCENTRY BOY。君はそう堕天使。

狂えCENTRY BOY。闇を切り裂くんだ。

 

そう飛び出した少年はふと気づく。

「僕の羽は きっと 赤く染まる きっと」

ジェットコースタの上昇と下降を繰り返し少年がこの真実を告げている。

これは過去のロックが倣うように上昇と下降をものすごい早さをやっている。マシーンの様に。だが感情もある。

 

飛ばせ CENTRY BOY 君はそう堕天使

狂え CENTRY BOY 闇を切り裂くんだ

飛ばせCENTRY BOY 君はそう悪魔

狂え 飛ばせCENTRY BOY 闇を切り裂くんだ。

 

この言葉の通り、この曲の主人公は深紅の羽根を持った悪魔となりこのレクエイムの果てにうる闇を裂く。こりは彼だけに許された表現。

其処から垣間見えるものは?

 

そしてミリオンナイトに耳に劈くスズメバチの異質な愛。Jonathan Jet-Coasterの主人公かせ蜂の巣巡り込んだのも徴になって現れる。そしてカサノヴァ、女王蜂が劇中劇の様にはりをとらがせて穿つのをソングライティイングした。これもブラウニングの挑発的手法だ。この曲を聴くと耳に劈く、歌詞の(ある意味性的な)とを感じる事が出来る。それは曲から来ているもので、シャンパンの泡の様なギターのギターのシャンパンのシャンパン泡の様なギターの間奏、その間奏と差異を感じる最後の曲部分ににセジュクションを感じる。

-Hip Boon Boon Boonハチガトブー

尖らせてもっと もっと もっとBaby

そしてそこから続く様にLullagy-IIIの印象的なミステリアなイントロが鳴り響く。 

 

ヤガミトールのカウントから始まるLullagy-III

樋口豊のベースがこのミステリアスさを誘い謝肉的な響きがそれを教える。

酔いどれダム・ドラの店 ようこそ パーティーが始まる

紳士、淑女、さ迷う客 皆さんシャンパンの泡となれ

「・・マダム 酒をくれよ」

「ウィムッシュ ケセラセラ!・・ダイス転がす奴はJoker 見ろよ 13のぞろ目さ」

「そしていつか、何処かであったメフィスト」の言葉

この一連の表現は櫻井敦司にしか出来ないで、デカダン・ロワイヤルとも言える世界を持っている。そしてその言葉は永遠の元を行くかの如き表現をする。

時を止めて乾杯しよう

 

時を止めるーそれは芸術表現のもっとも困難な事。なぜなら人はまだ永遠を掴んでいないからだだからこのパーティーの行方は退廃のそれになっていく。

 

なんて素敵 優しく殺して 囁く ひび割れているルノアール

夢見がちの事君の事だから 今夜も流れ出すROMANCE

ここで櫻井敦司は名曲「ROMANCE」に倣うべき表現を行った。それは完璧な彫刻の鋳型を変える様なものだ。

彼自身にとってそれはこの曲に必要だった言葉かもしれない。それで後述の「天使は誰だ」とは違う形でまさしく流れ出す様にロマンスのあの美しさを形を変容させる形でこのLullagy-IIIそれで後述ので普遍的に表現しているのだ。

 

「マダム酒をくれよ」

「ウィムッシュ ケ・セラ セラ!」

「一杯トロケル様なアブサン」

 

お休みのくちづけをしよう

 

何て素敵 優しく殺して 僕らを彩る様なシャガール

伏し目がち貴方首筋 噛み付く 溢れ出すROMANCE 

何て素敵 優しく殺して 囁く ひび割れているルノアール

夢見がちの事君の事だから 今夜も流れ出すROMANCE

酔いどれダム・ドラの店 さよならパーティはおしまい

 

このデカダン・ロワイヤルとしか言う事できない謎めいたこの曲は主人公がメフィストと会った(何らかの誘惑を受けた)生命契約の為mement moriのテーゼに倣っている。

そして純粋なロックンロールとして書かれているがここでも主人公がびしょぬれという歌詞がある、櫻井敦司は花やピエロなどのチェンジリングを遣うがこの雨の描写も前作Rainとともに自身のチェンジリングであり、彼の孤独感を雨として変え、この曲ではゲンブール的な表現で表している。

 

そしてセレナーデー愛しのアンブレアーsweetyー。初期のBUCK-TUCKポップ感を感じさせる曲が入っているのはBUCK-TICKのオリジンとして入っている事が多い。この曲では男女の感情表現をソングライティングしている。そして意匠は雨のモチーフが遣われているがの遣われ方には大きな相違がある。

悲しむ女性と男性の愛の歌はBUCK-TICKこの歌はアンブレラにに対する男女の恋を歌っている。

 

同時に銀河の片隅でであったというGALAXYにも通じた爆竹的表現が行われていてmemento moriのアウトロの間のひと呼吸ついた形になる。

 

天使は誰だ。

嘆きのリボルバー。ジョンを撃ったのは誰だ・・という出だしで始まる今井寿の作詞。作曲のこの曲はセンセーショナルで鋭くソングライティングされている。この曲がスケールの大きさに倣ってる。同時に今井寿の櫻井敦司に対する視線についても判るもの曲である。

 

嘆きのリボルバー 君は暗闇 天使の孤独 リボルバー

ライ麦畑でイキっぱなしのジーザス。

 

BUCK-TICKはジョン・レノン銃撃事件や、オズワルトともにモチーフにされている。そこ表現方法が成熟している。

そして冒頭から現実から今井寿の世界観が描かれている。

さあ。無限だ一晩中 貪る命さ ご覧よあれが貪る生命だ。

それは感受性を途方も無い所に持って行くコアを持っている。

 

世界が点滅して 拍手喝采のラストショウ 鋭い言葉が続き。

ーオレは夜で オレはSHOOTINGSTAー

 

そして最後はリフレインで天使達の姿を遂に捕らえている。

 

闇に這う天使達 愛の太陽浴びて融けちゃいたい。

キミ 時々 気が触れる 愛 愛 LOVELOVE

 

人でなしルシファー 林檎食べてトロけちゃった。

 

堕天使の群れ。

 

彼等が探した彼等自身の天使達は見つかり。そしてHEVENへと続く。

 

そしてこのアルバムのアウトロであるHEVENへと続く。

その目はCREZYでLOVERY BULUBULU SKY

生まれ 泣き叫び 笑い 愛し 恋を・・しよう

金網越しに交わされるKISS

国境 抱き合うANGEL 舞い上がる羽根の影は 一つ

国境や金網の表現は極東I LOVE YOUが遣われていて世界観で外側の世界に向けられたものである。争いに満ちた世界。その世界への。

 

そして天使は舞う。

君は舞う空染めて

君は舞う 空いっぱい舞い上がる

と。

そして櫻井敦司の歌声が響く。

素晴らしき 生まれいく世界で

桜咲く風に吹かれて

この素晴らしき翳り行く世界で

胸に咲いた赤いカーネーション

この生まれいく世界と翳り行く翳り行く世界での表現は櫻井敦司の感性からから出た言葉で聖なるもの(生まれいく世界と翳り行く世界と)醜さ混じりあう表現、それ等二つの月日を行くものを含めた櫻井敦司の感性。

素晴らしき生まれて行く世界 素晴らしい腐り行く世界。

そこにAUTO MODの様に腐り行く世界。そこに赤いカーネーションが咲く。

 

そしてリプライズされる

そしてこのアルバムのアウトロであるHEVENへと続く。

その目はCREZYでLOVERY BULUBULU SKY

生まれ 泣き叫び 笑い 愛し 恋を・・しよう

もがき 歌歌い 踊り 愛し 恋を・・恋をしよう

銃声 眠れない夜も終わる

雨に濡れた君 まつ毛震わせて蝶になったよ。

ここに櫻井敦司の祈りがある。希望も。望みーー月を亡くした王様であっても見る事は出来る。あまりにも生々しい生の営み。HEAVENーー

 

同時にここで書かれている蝶は女性を示すもので。蝶は芸術のルーティーンの中で植物の恋としての描写もあるが、女性として語られている・その蝶の羽撃きと天使の羽撃きを重ねて表現している。

 

その天使は空に留まり愛する人の、この地上の行方を見つめている。

そして櫻井敦司の

君は舞う・・から彼の詩世界が続く。

 

この素晴らしき 狂いゆく世界で桜咲く 風に吹かれて

この美しき腐り行く世界で

桜咲く 風に吹かれて

胸に咲いた白いカーネーション

この美しき生まれ行く世界で

桜咲く 風にに吹かれて

この美しき 翳り行く世界で

胸に咲いた赤いカーネーション

 

BUCK-TICKが作り上げた愛と死。

音楽が予言していた様に本質的な意味で人類の歴史は終わった。レクイエムのただ中にあるように全ては腐り行く。美しいものは次々と死んで行く。

その死を越え、彼等なりのそれらのの復活を演奏している。音楽を愛するもの、芸術を愛するもの生き残ったヒーザン達に対して最後にひと呼吸あけ繰り返される赤いカーネーションの言葉のように2009年にリリースしたこのアルヴァムはその音楽性の成熟度とともに強い生へのメッセージを与えてくれる。彼等なりの表現で。だから白いカーネーションが赤いカーネーションになるのだ。狂い咲く世界で。

その矜持memeto moriーーいつか誰にも死が訪れるという言葉に集約されている。

 

人生は愛と死。

 

 

memento moriーーそれは人間の愛と死の鋳型であり、人はそこを飛び立ち自らの生を生きている。

 

 

 

BUCK-TICK+ AUTO-MOD

バクチクの今迄に無いアーティスティックなアルヴァム、「或いはアナーキー」を聴いている今、源になったAUTO-MODについて考えてみた。ヤガミトールの50Anibersarry liveで見た方も多いだろう。バクチクに代表される今の撩乱の血と闇の華の全ての始まりであるバンド。全てはこのAUTO- MODが歌ったレクイエムから始まった。

 

暗闇のおもちゃ箱を ひっかきまわす道化師たちよ 引き裂いた闇の裂け目に とびついて踊り続ける くりひろげるナイトメア 血を流す赤い月よ 笑い声響き続ける恐怖の空中ブランコ 終わることないオペレッタ 運命の糸たぐりよせて さまよいつづけるラビリンス ドラマはあてもなく 火をはなて闇の舞台を 燃やし尽くせ 役者たちはすべての台本破り捨ててお祭り騒ぎさ オールナイト / いざれ乞食が通ったあとに 金銀財宝まき散らされて 娼婦の足元ひれふして 口づけせがむ王侯貴族 はいだした死人たちは墓地の真ん中ワルツ踊るよ ひっくりかえった柱時計は 0時の鐘の音さがしつづける 見世物小屋をさがしてるのかい あなたの心の中に 醜きものと美しきものが まぐわい続ける幻想の中で 叩き壊せすべての価値を さかしまなままに 思うがままに揺れる炎の中すべてが美しく燃えるさ 煌めけ

 

「滅びゆく時代へのレクイエム」

 

思うがままに揺れる炎の中すべてが美しく燃えるさ という言葉なんて美しいんだろう。醜きものと美しきものが まぐわい続ける幻想の中で 叩き壊せすべての価値を さかしまなままに 思うがままに揺れる炎の中すべてが美しく燃えるさこれは世界中のロックの中で見ても素晴らしくヴァイオレスとエレガンスに満ちている。美しさとは炎の中で踊る事だ。自らの感情の儘、一瞬の猛禽のそれさえも包む美しい炎、そしてそこからキラメけの言葉・・

キラメけの言葉から全ては始まった!

 

今井寿の作曲の基本概念も、櫻井敦司のデカダンスも(彼にはデルジベットのISSAYとの絆もある)ここから始まったと言って間違いないだろう。AUTO MODは今ですら活躍を極める、要注意ヴァンドなのだ。布袋がすべての楽器をこなしたデストピアから、JILLがコーラスで参加したイースタニア。そして時を経て今のディーバ・セリアが参加することにより未だかつて無い闇の栄耀にいるヴァンド。東京の暗黒城をその根城にして。その中心にいるジュネ・・!

 

AUTO-MODも来年は三十周年迎る。それによりアニヴァーサリーとした音源リリースもある事だろう。

バクチクは東京ロッカーズの最後の流れを組むヴァンド。

そしてバクチクはAUTO MODと共にJapanese babyの為に存在しているヴァンド。桜花狂想の狂いざくオーディエンスの。

そのバクチクのファンの方には是非AUTO-MODを聴いて欲しい。今ならEASTAN GOSITCとCELEBRATIONがアルヴァムとして手に入れやすいだろう。

バクチクの源泉となり、未だ第一線級で活躍しているこの希有のヴァンドの音楽を。

HAPPY BIRTHDAY ジュネ。これらもグランギニョルの夢を。

 

8月、seven

 

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